ビジネス | 『ほうれんそう』は「おひたし」にする時代~上司と部下で美味しくクッキング!~
POST:2019.05.07
さて、今回は珍しく料理について。
ほうれん草のおひたしを作ってみましょう!
などと言ってレシピを書いたところで、このブログの読者の方がそんなものを読むとは思えませんね笑
何せ管理人は料理らしい料理は特に作れません(自慢)
管理人の興味は常に組織と人材の開発です。
という訳で、今回の記事は「報連相」と「おひたし」についてです。
この言葉、昨年あたりからTwitter発で出回っているみたいですが、大変素敵な言葉だと思います。
管理人の見解も踏まえながら、紐解いてみましょう!
あ、「ほうれん草のおひたし」の美味しいレシピを知りたい方は別のサイトで探してくださいね・・・
「報連相」とは?
さて、出発点は「報連相」です。
ビジネスマンなら普段から何気なく使っている言葉ですよね?
「報連相を徹底しましょう」とか。
言わずもがなかも知れませんが、「報告・連絡・相談」の頭文字を取ったものです。
部下と上司間のコミュニケーションを円滑にするための必須スキルでもあります。
そのため、新入社員研修ではほぼどの会社も教えますし、世の中にはそれ専門の講師がいたりもします。
しかしながらこの言葉、無理やり語呂合わせを優先したがために若干意味が通りづらくなっている気がします。
昔から疑問だったのが、「報告」と「連絡」の差は何だよ・・・?的な部分です笑
ということで、「報連相」の中身から解剖していきたいと思います。
さて、言葉の意味を調べるにはまず辞書からです。という訳で、報告について調べてみると・・・
「報告」
告げ知らせること。特に、ある任務を与えられた者が、その経過や結果などを述べること。また、その内容。(デジタル大辞泉より引用)
続いて、「連絡」
1 関連があること。「一見何の― もない二つの事件」
2 気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。また、その通知。(デジタル大辞泉より引用)
最後に「相談」
問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。また、その話し合い。(デジタル大辞泉より引用)
ふむふむ。わかるようなわからないような・・・笑
噛み砕くと・・・
報告:事実関係を率直に述べたもの。
連絡:事実だけでなく、自身の見解や気持ちなどを述べたもの。
相談:問題点などの解決に向け、他人に意見を伺うこと。
こんな感じでしょうか。
ビジネスのシーンでは情報の行き来がありますので、具体的に「ここからここまでが報告!ここからが連絡!」などと分けるのは若干難しい気もしますが、まあとにかく言葉の意味はわかりました。
報連相のやり方と効果・問題点など
では、実際報連相はどういう風に使うものでしょうか。
一般的には、「部下(後輩)から上司(先輩)へ」という関係で使うことが多いかと思います。
上司(先輩)からは仕事の指示が来ます。
部下(後輩)はそれを受け、仕事に取り組みます。
仕事が完了すれば、完了した「報告」を。
進捗が思わしくなければその「報告」や「相談」を上司(先輩)に行う。
上司はその「報告」や「相談」を元に、新しい指示を行うことでスムーズに仕事が進んでいく・・・はず・・・
はずなんですよ!
ところがどっこい・・・そうは問屋が卸さない!!
実は、「報連相」って結構難しいスキルです。
先ほど、「報連相」を専門的に教えている方もいると言いましたが、それくらい難しいスキルなんです。
完璧にできる人なんてごくわずか。
例えばですが、「バッドニュースファスト」という原則があります。
つまり、悪い情報は早く知らせるというもの。
これがなかなか曲者です。
その知らせが「いいものか」「悪いものか」というのは多分に主観によります。
新入社員の頃は、何が「いい」「悪い」という判断基準がないため、すぐに上司や先輩に知らせます。
ところが、ある程度経験を積むと上司や先輩がそんなに暇じゃないということを学んでしまいます。
そこで起こるのが、「知らせる情報を自分で取捨選択してしまう」という問題です。
ある意味、育ったからこそ行えることでもありますし、通常それで問題はないでしょう。
しかし、「悪い」情報を知らせるときにもその問題が発生することも・・・
だって怒られるの嫌ですからね笑
営業なら「〇〇さんとの契約取れませんでした・・・」などという報告はなかなかしたくないものです。
そうして、なかなか報告できずに時間だけが過ぎてしまい・・・
ほったらかしにしていたのがバレて結局大目玉を食らったり・・・
なんていうオチを経験したことがある人も少なからずいらっしゃることでしょう。
そもそも論ですが、上司がよく怒るような人だとそもそもコミュニケーション不足になります。
報連相しても怒られる。しなくても怒られる。みたいな感じではコミュニケーションを取りたいと思う人の方が少数派でしょう。
こういう上司の質によっても報連相の難易度は変わってしまいます。
些細なことでも何でもとにかく報告して欲しい上司もいれば、自分の仕事を邪魔されたくないから最小限の報告を好む上司もいます。
いちいち人に合わせて報連相のパターンを変えていかなければならないとなると、部下というのも大変です。。
まして、自分にある程度の役職がついて決済できる幅が広がってくるとなかなか上司への報連相は減ってしまいます。
月に一度の会議の場で述べるだけ。みたいな。
せっかく報連相のスキルを持っていても、なんだかそれでは宝の持ち腐れです。
こうなる要因の一つが、「手段と目的を履き違えてしまった」ことにあるでしょう。
本来、報連相はコミュニケーションを円滑にして仕事をうまく回せるようにすることが目的です。
しかし、「報連相が大事」という思いが強まると、「報連相をすること」そのものが目的化してしまいます。
本末転倒もいいところです。
もっと言うなら、部下から上司へという考え方もおかしいですよね?
上司から部下への報連相も密に行わなければ、意味がないのです。
だって「コミュニケーション」というのは双方向性がないとダメですから。
仕事の指示を与える際に、「これやっといて」だけで済ます上司も未だにいます。
そんな指示の与え方で当意即妙に仕事を完結させられる部下は超優秀でしょう。
部下からの報連相を望むなら、「報連相を行いやすい環境」を作ることと「的確な指示」くらいは上司側も徹底すべきなのです。
という訳で「おひたし」の出番だ!
そんなこと言われてもなかなか難しいのはよくわかります。
「やっといて」でやってくれる部下がいればなおさらです。
その方が楽ですからね。
とは言え、楽な方に逃げても強い組織はできません。
円滑なコミュニケーションは言わずもがなで強い組織の必携スキル。
上司と部下が共に作り上げていくことが必要なのです。
という訳で、上司側も「おひたし」を徹底しましょう。
ここでいう「おひたし」とは
お:怒らない
ひ:否定しない
た:助ける
し:指示する
です。
ひとつずつ見ていきます。
怒らない
上述しましたが、怒りっぽい人には報連相しにくいものです。
「失敗した」という悪い情報ならなおさらです。
そういう報告が来ても、「怒らない」というのは大切です。
感情的になると事態の本質はぼやけて見えてしまいます。
怒るというのは、感情に任せているだけです。
叱るのとは全然違います。
例えば、部下がコンプライアンスに反するようなことをした。
これは叱るべきです。
しかし、感情的に物を言う。殴る蹴る。罵倒する。これは違います。
あくまで、「起こった事実」に対して「それは間違っている。ダメだよ」ということを理解させるのが叱ることです。
人格批判や暴力・暴言で分からせることでは決してありませんのでご注意ください。
否定しない
部下、特に新入社員に対しては「否定する」というのはかなり大きなストレスになります。
何せ、善悪の基準が曖昧な場合がありますからね。本人はよかれと思ってやったことも頭ごなしに否定されれば萎縮してしまいます。
「違う」「そうじゃない」という場面も多々あるかと思いますが、単にそう言うだけではなく「次からはこうして欲しい」ということまでしっかり伝えましょう。
助ける
これは必要があればでいいでしょう。
相談に来た相手に対して「そんなことくらい自分で考えろ!」と突き放すだけでは何にもなりません。
「何か手助けできることはある?」という一言の有無で上司と部下の信頼関係は強くなっていきます。
とは言え、相手が望んでもいないのに手助けするのは相手の成長を阻害しますし、何より自分の仕事が進みません。
状況に応じてということになりますが、一言あるかないかの違いは大違いです。
指示する
上述していますが、指示出しが下手で部下からの反感を買うことも多いです。
「報連相は5W1Hに則ってやりましょうなどと言っている上司の指示が「5W1H」に則っていないこともしばしばです。
仕事を振るなら、最低限の情報は確実に伝えないと後々無駄なやり取りが発生して結局上司が困ってしまいます。
上手い上司は部下に「働かせる動機」を作ります。
自発的に能動的に動く部下が増えれば上司はその分楽ができるのです。
その第一歩が的確な指示出しです。
まとめ
という事で、時代は「報連相」を求めるだけの上司から「おひたし」を上手にできる上司へと変容しつつあります。
重要な点を以下にまとめます。
●報連相はコミュニケーションの手段!コミュニケーションは強い組織を作るための手段!
●コミュニケーションは双方向。上司が報連相を待つだけでは上手くいかない!
●報連相は重要なスキル。しっかりと行いましょう!
●報連相を「おひたし」で受け止めよう。上司側から報連相をしやすい環境を作っていきましょう!
こんなところでしょうか。
報連相は、この高度情報化社会においては益々重要性が増していくはずです。
その情報を活かすも殺すも上司次第。
日ごろから部下がコミュニケーションを取りやすい環境を作ることで、どんどん組織が強くなっていくはずです。
俺たちの時代にはそんなに部下は甘やかされていなかったよ・・・
と思った上司の皆さんにこそ実践して欲しい。
何だかんだで「頼りになる上司」というのは素敵ですからね!