ビジネス | ブラックスワンはそこにいる

POST:2020.04.30

いきなりですが、皆さんに質問です。

白鳥は何色でしょうか?

白鳥、というくらいですから『白』だと答えるのが普通ですよね。
しかし、白鳥には黒い白鳥もいるものです。
今回は、そんな黒い白鳥、「ブラックスワン」についてのお話です。

「ブラックスワン」とは何だ?

「ブラックスワン」というのはもちろん鳥のことですが、このブログで鳥の種類を紹介しても仕方ありません。
ましてや映画の話でもありません。
ビジネスマンとしての基礎知識として必要な「ブラックスワン」の正体、それは「リスク」のことです。

しかし、ただの「リスク」ではありません。
2009年、日本でも出版された「ブラックスワン」はナシーム・ニコラス・タレブという人が書いた本です。

この本で語られている「ブラックスワン」の特徴は
1.事前予測が不能
2.発生すれば非常に強いインパクトをもたらす
3.実際に発生したのち、さもわかっていたことかのような「後付けの説明」がなされる

というようなものを挙げています。

白鳥はすべて『白い』と信じられていた中、たった一羽の『黒い白鳥』の出現がもたらしたショックや混乱を「ブラックスワン」という言葉で言い表しています。

この本が出版されたのはリーマンブラザーズの経営破綻による未曽有の景気悪化が発生したいわゆる「リーマンショック後」です。
リーマンショックは、この「ブラックスワン」の特徴をよく表しています。
突然の出来事のため多くの人が事前予測できておらず、実際にリーマンブラザーズが破綻したのちは世界的・連鎖的な強いインパクトを残しました。
さらに、なぜリーマンショックが発生したのかという事後の説明は皆したり顔でやっています。(しかし予測はできないのです)

これは何かに似ています。
そう、目下進行中の新型コロナウイルスも一種の「ブラックスワン」であると言えるでしょう。

現代社会は「ブラックスワン」の巣窟だ

現代社会を一言で言い表すならば、不確実性の時代となります。
インターネットを代表とする電子機器やインフラ、通信技術の向上などは「世界」の垣根をいともたやすく超えていきます。

これらは、多くの恩恵をもたらしたと同時に「リスク」のあり方も変えた面があります。
関わる人が多くなればなるほど社会は複雑になります。
この複雑な社会というシステムを上手く操るほど人間は成熟していません。

結果、ありとあらゆるところに「リスク」は存在し、「リスク」の中でも「ブラックスワン」が息をひそめている訳です。

経営者や金融関係者に限らず、リスクについては考えなければなりません。
しかし、現代社会のように複雑な状況下では、変数が多すぎる以上人間が考えうる範囲を超えて「リスク」が存在することになります。

今回の新型コロナウイルスも、最初は楽観視していた人の方が多かったと思います。
これは何も日本に限った話ではなく、欧米諸国いや世界中の国々がそうだったかと思います。

現時点では「あれはブラックスワンだった」と言えるかも知れませんが、初期段階でそう言える人は果たしてどれくらいいたでしょうか。(そういう意味では2015年の段階で「ウイルスによる脅威」を述べていたビル・ゲイツさんはすごいなあ・・・)

何が「リスク」であるのかを考えるのは非常に重要なことではあります。
しかし、インパクトの大きな「ブラックスワン」を捕まえることはできない。
私たちに必要なのは「ブラックスワン」は発生するものだと理解すること以外にありません。

今後の「ブラックスワン」は何だ?

リスクがあちこちにある以上、「ブラックスワン」がどこにいても不思議ではありません。
果たして次の「ブラックスワン」は何でしょうか?

軍事的な衝突や、自然災害、はたまた宇宙人の侵略??
などと考えたところであまり意味はないのかも知れません。

なぜならば、「ブラックスワン」は予測不能だからです。
通常の「リスク」であればある程度備えることは可能です。
今回の新型コロナウイルスの影響を受けて、様々な面から見直しがなされるでしょう。

未知のウイルスによる脅威、も今後は「ブラックスワン」ではなくなるでしょう。
しかし、次の「ブラックスワン」はわからないのです。

以前、テレビのニュース番組で様々な経営者に対して「ブラックスワンは何だと思いますか?」というインタビューをしていました。
それを眺めながら、「予測できる内はブラックスワンじゃないよね。。。」と思っていたことを思い出します笑

「備えあれば患いなし」という格言があります。
我々人類は過去の経験から様々なリスクに対して「備え」ています。
しかし、「ブラックスワン」はそんな私たちをあざ笑うかのように起こります。

それがいつなのかはわかりませんが・・・

経験が邪魔をするという面もある

「ブラックスワン」を理解するうえで重要なのは、「経験」がすべてではないということです。
私たちは、無意識的に過去の経験を信じてしまいます。

過去に見た何羽もの白鳥がすべて「白」だったからと言って、「黒い白鳥」がいないかどうかはわからないのです。
念のために述べておきますが、これは「悪魔の証明」の話ではありません。

予測するという行為は通常「経験」から成り立ちます。
しかし、「ブラックスワン」は予測の範囲外です。
であれば、過去の経験というのはむしろ邪魔をする可能性すらあります。

予測可能な「リスク」に対しては立ち向かいつつ、「不確実性の時代」に生きていることの自覚のもと常に「ブラックスワン」が起こり得るということは理解しておかなければならない。
何ともかじ取りの難しい時代です。

まとめ

ナシーム・ニコラス・タレブ氏は金融学者であるため、「ブラックスワン」という単語は金融用語として語られることが多い印象です。
しかし、繰り返しになりますが「リスク」が点在している現代の「不確実性」を生き抜くための指標の一つであるように感じています。
これは、経営者や金融関係者だけでなく、日常を生きるすべての人が理解しておくべきことです。

私たちが「日常」だと思っていいることは、実は非常に絶妙なバランスの元で成立しているに過ぎません。
たった一羽の「黒い白鳥」の出現で「日常」は脆くも崩れ去ります。

今回の新型コロナウイルスの影響がどこまでのものか、というのはまだまだ途上なためわかりません。
しかし、この影響が去ったあとも新たな「ブラックスワン」はどこかにいます。

予測することは困難ではありますが、もし何かが起きたときに対応できるように心構えをするだけでも役には立つと思います。
しかし、どうせならプラス方向に働く「ブラックスワン」が生じて欲しいものですね・・・

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