音楽・将棋 | 好きだからこそ言わせて欲しい~将棋界は斜陽産業である~
POST:2018.10.29
加藤一二三先生のメディア露出や藤井聡太先生のフィーバーそして羽生善治先生の国民栄誉賞など、何かと話題の将棋界。
しかし、実際のところはどうなんでしょうか?
ビジネスマンとしての視点で見ていくと、産業としては厳しいと言わざるを得ないのではないでしょうか?
趣味として将棋に携わりだして3年半くらいの月日が経過しました。
大好きなものだし、これからも継続的に盛り上がって欲しい。
だからこそちょっとだけ苦言を呈させていただきたい。
レジャー白書によると
2018年8月に日本生産性本部から発表された「レジャー白書」によると、将棋の参加人口は推計で約700万人(2017年)となっています。
2016年が約530万人とのことで、1年で約170万人も参加人口が増えたということになります。
藤井フィーバー等を露骨に反映しているような印象です。
この数字だけ切り取れば、「斜陽」や「衰退」などという単語とは無縁のようにも見えます。
実際に見た印象
先日別の記事でも書きましたが、「第31期竜王戦第2局」の現地大盤解説会に行ってきました。
大盤解説会に赴いたのは、春の名人戦に続いて2回目となります。
プロの棋士の検討が生で見られるわけですし、また対局者の羽生竜王のタイトル獲得通算100期目がかかっているということもあり、どちらの大盤解説会も満員でした。
しかし、今回の竜王戦の方は違和感が多かったのです。
違和感の源泉としては、会場いる人の8割以上は高齢者だったんですね。
正直驚きました。これだけブームと言われているにも関わらず、子どもや若年層はほとんどいませんでした。
アラサーの管理人ですら若い部類にカウントしていいんじゃなからろうかという事態。
まあでも冷静に考えればそれは仕方ないのです。
だって対局が平日なんだもの!
会社や学校があればなかなか休んでまで観戦しようという気にはならないでしょう。
名人戦の方は土日だったためか老若男女バラエティに富んだ印象でした。
対局者の違いもあるかも知れませんが、日程の影響が大いに関係していたのではないかと推察します。
はっきり言えば、大人しか観戦できないようにしていれば「今後のファン」は増えません。
せっかくのブームに乗って、これから市場を開拓したいというのであれば益々若い人たちをつかまえていかなければジリ貧になる一方ではないでしょうか?
マナーの問題
また、ぶっちゃけた話ですが観戦者のマナーの問題にも苦言を。
大抵の人は静かに観戦していました。プロの解説に耳を傾け、戦況を見守っていました。
しかし、特定の人ではありますが
・複数人で
・大声で
・自分の読み筋を披露し
・解説者にダメ出しをする
という人たちもいました。
立ち見まで出ている中、観戦者が見たいのはプロの対局姿です。
そして、プロの解説を聞きたいのです。
どこの誰とも知れない方の読み筋はどうでもいいのです。
最終盤でも大きな声でお話されていた方々には、直接苦言を言わせていただきましたが・・・
また、先着◯◯名様限定というプレゼントに全力ダッシュで群がるおじいさん方・・・
欲しい気持ちはわからなくもないですが、大人気なさすぎではないでしょうか?
少ないとはいえその場にいる、小学生くらいのお子さん達に分け与えてあげる心の余裕はないものでしょうか??
こういう場面の積み重ねがあったため、大盤解説会に行けた嬉しさよりも残念さが勝ってしまった感じです。
もちろん、プロ棋士の先生方はサービス精神旺盛です。
オフの時間帯などに自分とも話してくれるような人たちでした。
自分が当たった景品を小学生にプレゼントされている心優しい人もいらっしゃいました。
こんな方々の頑張りに報いるためにも、ファンもレベルアップしなければいけないのではないでしょうか?というのが率直な感想です。
全員が全員というわけではありませんが、マナーや心遣いの問題が散見されてしまったのは残念でした。
何よりも、主催者から注意がなかったのが残念でした。
もちろん多少のおしゃべりなら問題視すべきではないと思いますが・・・
若い「ファン」を増やさねば!
斜陽産業化を止めるにも、若いファンの獲得は必須でしょう。
解決策としては簡単です。
1 平日のタイトル戦開催を極力減らす
2 大盤解説会場に子ども用の優先席を設ける
3 マナーの向上を周知していく
たったこれだけでも効果が出てくると思います。
日程については、平日を避けるだけでも子どもの観戦が容易になります。
また、解説会場の最前席に子ども用の観戦スペースを設けてみたらどうでしょうか?
最近の甲子園のバックネット裏がモデルです。
マナーについては、自身も含めて反省すべきなのかなと。
大人が大きな声で喋っていたら、萎縮しちゃいますし。。
若い年齢層のファンが増えれば、競技人口も増えていきます。
人間が将棋を指すあの空気感というのは、本当に貴重な体験です。
子どもたちにそれを経験させていけば、棋士を目指す人たちが増えていくのではないでしょうか?
子どもはお金を落とさないかもしれませんが、そこだけに囚われると中長期的には斜陽化は避けられないと思います。
まとめ
現状の将棋界は、ブームに甘んじているだけという印象が拭えません。
もっと本気で「これから」を見据えていかなければ、せっかくのブームもまた一過性のもので終わってしまう可能性が高いです。
未来の将棋界を憂う者からの、率直な感想です。
まだ、これからもっと盛り上げることも十分に可能だと思います。
それだけに、何とかならないものかと思ってしまうのです。
異論反論はもちろんあるでしょうが、未来を考えるには、徹底的に「未来」を見据えた行動が必要なのではないかと思った次第です。
同感です。
これからはどんどんマナーの悪い年配の将棋ファンにはご退場願って、
もっと若い人たちが気軽に楽しめる文化にしていきたいものですね。
…ただ若い子達は、
ネットによる対局に慣れすぎてしまって、
まともに「負けました」と言って投了できない人も多いので、
今のままですと、
将棋界全体での底上げが必要かと思っておりますけどね。