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コラム | 隣の客はよく柿食う客だ〜伸びた枝は誰が切る〜

POST:2018.08.21

皆さんこんにちは!
えー・・・自分でも意識していないと、法務担当ということを忘れてしまう法務担当者です。
だって、そんなに契約書とかないんですもの・・・笑

ということで、今回は法務担当っぽいことを書かせていただきます!笑

迷惑な木の枝

管理人の家の駐車場、隣家の木の枝や草が伸びてきていて非常に困っています。
毎年毎年草木の生命力には驚かされます。

とは言え、伸びた草木が車に接触していて駐車時に迷惑だし、乗降の際も不便です。
こういう場合どのような対処をしたらいいでしょうか??

1 こちらの敷地に勝手に伸びてきているのだから、自分で切る
2 こちらの敷地に勝手に伸びてきているのだから、業者さんに切ってもらう
3 隣家に申し出て切ってもらう

どれが正解でしょうか。

民法233条を紐解いてみますと
第1項に「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。」とあります。

そう、自分で切ってはダメなんです!!
自分で切ってダメですから、自分が業者さんに依頼して切ってもらうのもダメ。
という訳で、「3」が正解となります!

あくまで、隣家の所有物なのでいくら敷地を侵害していようが勝手に切ってはダメですよー!という趣旨でしょうかね。
ちなみに、これ木の実なんかにも適用されます。
なので、自分の敷地に隣家の柿の木の枝が伸びてきていて、その枝に「柿」が成っているといっても勝手に剪定して食べてはいけません。

でも、申し出たところで切ってくれるか否かは隣家の対応次第。
邪魔は邪魔じゃないかと思いますけどね・・・

枝はダメでも根ならよい

さて、この民法233条続く第2項はこうなっています。
「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。」

どういうこっちゃ!!!???

どうやら民法233条は空中と地面で適用されるケースを分けているようです。
でも、なぜこのような違いがあるのかは法解釈にも様々な意見があるようではっきりしていません。

地面は切ってもいいけど、空中はダメ・・・
何とも不思議です。

問題です!

さて、ここまでの話を踏まえた上で問題です!

1 隣家のタケノコが自宅の庭に生えてきた!これは収穫してよい??
2 隣家の柿の木から柿が自宅の庭に落ちていた!これは拾っても大丈夫??
3 隣家の木の落ち葉が自宅の庭に大量に・・・これは掃除してもよい??

全問正解で有給休暇をプレゼント!
不正回答は追放します!!まずは降格から!

というのは冗談として、ぜひ回答を考えてみて下さい!

まとめ

と、法律というと何となく難しそうですが民法は皆さんの生活に根付いた問題を解決するためにあります。
自分の場合、とりあえず管理人に苦情でも入れて隣家と話し合ってもらうしかないかなと思っています。

しかし、民法233条は不思議ですねえ。
制定された当時の時代背景なんかも重要になってくるとは思いますが、何となく理解しづらいというか・・・直感的には理解しづらいです。

とは言え、こういう決まりになっていますので、皆さんもなにかあった際には民法233条を思い出してください!
勝手に切ったら場合によってはトラブルになりますからね!

ではまた面白い法律を見つけたらご紹介いたします!

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