ビジネス | 雇用調整は難しい

POST:2018.10.05

好況好況と言われていますが、何の実感も持てない管理人です。
皆様はいかがお過ごしでしょうか??

管理人が在籍する会社ではとうとう給与カットが断行されているようです。
「ようです」、というのは社員全体に対してではないからです。
管理人は何とか免れていますが、いつ自分の身に降りかかることやら・・・

という訳で、経営再建の切り札「人件費の圧縮」についてが今回のテーマです。

リストラは最後の切り札です

まず、雇用調整の大まかな流れから。
「雇用調整」と聞くと、「リストラ」というイメージで語られがちです。
一般的に「リストラ」は「解雇」や「雇い止め」という文脈で語られがちですが、本来は「リストラクチャリング」=「経営再建」を意味しています。
社員を減らして人件費を圧縮することで、経営リソースを最適化して運営をやり直そうというのがリストラの意義です。

しかし、経営悪化→リストラを繰り返したせいでどうにも「解雇」のイメージが強くなってしまいました。人員を減らした先に何をするのか、の方が圧倒的に大事なんですね。

さて、余談は置いておいて雇用調整についてです。
「リストラ」みたいな大規模な人員整理に至るまでには様々なプロセスがあります。
というか、人件費に手を付けるのは基本的に最後の手段です。

では、まずどうするか。

●経費削減策の実施(危険度★☆☆☆☆)

電球を減らすとか、コピー用紙は裏紙から使うとか・・・
とにかくまずは「ムダ」を削ります。
新しく物を買うのを控えるとかも必要です。

●既存の人事管理の見直し(危険度★★☆☆☆)

経費削減にも限界はあります。効果がなければ人事管理分野にメスを入れます。
しかし、いきなり「人員削減」とはなりません。
まずは、「新規採用の停止」や「残業の抑制」など既存の管理を見直します。
非正規雇用の方の契約をストップしたりするのもこの時期からです。
また、役員報酬のカットなどもこの時期に並行して行われます。
それでもダメなら・・・

●給与カット、一時帰休の実施など(危険度★★★☆☆)

いよいよ人件費に手をつけます。
一時帰休とは、要するに「会社都合でお休みにさせる」ことです。
特に、工場などでは材料の入荷がないため一時帰休を実施などがあります。
かっこよく言えば「レイオフ」の一種です。
この辺まで進むと、だいたいヤバいと思っていいでしょう。

●人員削減の実施(危険度★★★★☆)

さて、いよいよにっちもさっちもいかなくなった、という段階で「人員削減」の実施に至ります。
正規雇用社員の削減は言わば本丸。
とは言え、これもいきなり「整理解雇」とはなりません。
まず、「希望退職(早期退職)」の実施。
希望退職とは、会社が「〇〇という条件を提示しますので辞めてくれませんかー?」と退職者を募ることです。
退職してもいいよって人に辞めてもらう制度なので、解雇よりはまだマイルドです。
概ね、退職金の割増や有給休暇の買い取りその他諸々の「メリット」を用意します。
問題は、辞めてほしくない人も辞める可能性があることですかね。
一応引き留めてもいいんですが、なかなか残る人はいないでしょう。

また、平行的に「退職勧奨」をします。
これは、会社側から「もう戦力外なので辞めてくれない?」という打診をすることです。
戦力外通告ですね。
あくまで解雇ではなく合意退職にはなりますが、ここまで来るといよいよだなあという感じです。

そして、最後に「整理解雇」となります。
経営者側からすれば、こんな面倒くさいステップを踏まずにいきなり「整理解雇」をしたい!
というところでしょうが、そうはいきません。
なぜなら、整理解雇を合理的に実施するには4要件があるからです。

整理解雇の4要件とは

整理解雇を行うには、4要件を満たしていることが必要となります。

4要件とは

1 人員整理の必要性
人員整理を行う必要性があるかどうか。経営不振は大丈夫ですが、生産性向上のためとかだとダメです。

2 解雇回避努力義務の履行
上で細かく書いたようなことを実施したかどうかが問われます。あくまでも解雇は「最終手段」です。

3 被解雇者選定の合理性
例えば、地域や年齢といった一定の条件に基づいているかどうか。「あいつは嫌いだから」とかではダメです。

4 解雇手続きの妥当性
労働者の過半数以上の代表や労働組合等と話し合いを行い、十分なプロセスを経たかどうかが問われます。いきなり「解雇しまーす」ではダメです。場合によっては説明会の実施なども必要となります。

簡単に書くとこんな感じです。
これまでの凡例から、4要件を満たしていない「整理解雇」の実施は無効扱いや不当解雇とみなされたりしますのでご注意を。

リストラの先に・・・

長々書きましたが、いわゆる雇用調整の流れはこんな感じです。
しかし、雇用調整はあくまで「手段」であって「目的」ではありません。
人件費の削減である程度コスト削減は達成できても、経営再建にまで至るかは別問題です。
特に、リストラ実施後は再建に必要だった人員まで辞めてしまって「焼け野原」と化していることも少なくありません。残った従業員達のモチベーションも大きく下がっていますので、そのケアも必要になってきます。
ここからどう立て直せるかは、まさに経営陣の腕次第となります。

まとめ

長くなりましたが、雇用調整は経営陣にとっても従業員にとっても大きなダメージを被ります。
そうなる前に舵取りをしっかりして欲しいものです。
また、いざ経営環境が悪化したといってもいきなり雇用調整に踏み切るのはリスキーです。
段階を経て、多方面からリストラクチャリングを行うようにして下さい。
人件費だけが問題ではないですから!

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