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ビジネス | 決算書を読み解く~キャッシュフロー計算書(CS)を読んでみよう!~

POST:2019.07.10

さあ、財務諸表についてもかなり大詰めです!

今回紹介するのはキャッシュフロー計算書についてです。
前々回、前回で損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)について紹介しました。

大まかに、ということであればこの2つを見れば財務分析も可能です。
しかし、損益計算書(PL)は「売上とコストの関係」、貸借対照表(BS)は「資産とその調達方法」がわかるものです。
この2つだけだと、肝心なことがわかりません。

そう、「現金の状況」です。

勘定合って銭足らず

会計の世界では、「勘定合って銭足らず」という言葉があります。
帳簿は問題ないのに、現金が足りないせいで最悪倒産・・・なんていうことも起こりうるのが現実の経営というものです。

なぜこんなことが起こるのか。
簡単に言えば、会社の取引は通常「掛け」で取引されるからです。(もちろん、それだけが原因ではありませんが・・・)

掛けとは何か、と言いますと・・・
例えば、皆さんが卸売りの事業をやっているとします。
当然商品を仕入れて売ることになります。

仕入れた商品は、「買掛け」として支払うことになります。
これは、現物は先に手元にもらうけれど、支払いは毎月「月末に支払う」とか「25日に支払う」みたいにその場で支払わなくて済むものです。
掛け取引の特徴は、支払い事務の簡素化などで手間が減る点です。
Aという商品とBという商品を同月の別々の日に仕入れたとしましょう。
掛け取引でなければ、AとBを仕入れた都度支払いが必要になります。
しかし、掛け取引にしていればAとBの仕入れ代金を定められた期日に支払えばOK!

かなり楽です。

ちなみに、仕入れた月の翌月や翌々月に支払うケースが多いかなと思いますが、ここの期日をどうするかは相手の企業さんとの取り決めによります。(この期日を「支払いサイト」なんて言ったりしますが、余談です)

商社などの卸売りの場合、商品を買った場合は「買掛け」、売った場合は「売掛け」となるケースがほとんどです。
ここからは金額を含めて具体的な例を。

買掛けが500万円。翌月支払い予定としましょう。
一方、商品は無事に売れて600万円となったとします。

粗利は100万円。普通であれば、「うれしいな!」で終わる話ですが。。。
売掛けの期日をうっかり「翌々月」にしてしまいました。

売れた商品の入金は翌々月、しかし買った商品の支払いは翌月となっています。
しかも、現在預金通帳に500万円もない、とするとどうでしょうか?
銀行から融資してもらったりしない限り、支払いができずに最悪倒産・・・となってしまいます。

PLやBSで見ていれば、しっかり売上があるし利益も出ているのに・・・
これが、「勘定合って銭足らず」という状況です。

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュ=現金、フロー=流れですから、キャッシュフロー計算書は文字通り「現金の流れ」を把握するためにあります。

厳密にいうと、「期首にいくらの現金があって、期末にいくら残っているのか」を把握するものです。
またここでいうキャッシュとは現金のみではなく、「現金同等物」を表すのも覚えておいてください。

さて、キャッシュフロー計算書には3つのキャッシュが出てきます。
それが

1 営業キャッシュフロー
2 投資キャッシュフロー
3 財務キャッシュフロー

です。

営業キャッシュフローとは、商品やサービスの提供などで得たキャッシュフローです。
つまり、日常的な営業活動によって生み出されたキャッシュフロー。本業で生み出されたキャッシュフローと言い換えることも可能です。

投資キャッシュフローは、固定資産の売買などで得られたキャッシュフロー。事業活動を維持するためのキャッシュフローがわかります。

財務キャッシュフローは、主に借り入れなどで得たキャッシュフロー。当然返済をどうしているのかも含まれます。

この中の、「営業キャッシュフロー」と「投資キャッシュフロー」の2つで「フリーキャッシュフロー」を表すことができます。
つまり、自分のものとして「自由」に使えるお金ですね。
財務キャッシュフローは借りたお金ですので、なかなか「自由」には使えなかったりします。

キャッシュフロー計算書を読むことで、「どうしてお金が増えたのか、または減ったのか」を理解することができるという訳です。

キャッシュフロー計算書を使って会社の状況を見てみよう

財務分析を正確に行うには、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)の全てを見て多角的に分析することが必要です。
その際、同じ会社の別の期(前期、前々期など)や同業他社の財務諸表を見比べて分析する方がいいです。
しかし、キャッシュフロー計算書だけでもそれなりに会社の状況を理解することは可能です。

会社にとって一番重要と言っても過言ではない「現金」の動きですからね。
何とかなるもんです。

次表はキャッシュフロー計算書の8つのパターンを表しています。
プラスになっている部分は増えたもの。マイナスになっている部分は減ったものを表します。

営業キャッシュフローは、自分の営業活動で稼いだお金ですからマイナスになっている会社は営業活動で得たお金以上に人件費などでお金が出ていっているということになります。
投資キャッシュフローは、事業への「投資」。設備を新しくしたりすればマイナスになりますし、逆に資産を売却したりすればプラスになります。
財務キャッシュフローは、借り入れですので、借りてくればプラス。返済していればマイナスになります。

上の表だと、⑤の会社は結構マズいパターン。
営業キャッシュフローがマイナスで、財務キャッシュフローがプラス(つまりお金を借りている)。
さらに、投資キャッシュフローがプラスなので何らかの資産を売却していることがわかります。
資金調達に苦労している会社という印象です。
こういう状況が長く続けば、危険性が高まります。

一方、③の会社は好調な会社の典型例だそう。
営業キャッシュフローは当然プラス。本業で儲けが出ています。
投資キャッシュフローがマイナスなのは、設備投資を行っている可能性が見受けられます。
財務キャッシュフローがプラスになっているのは将来に向けた資金調達が出来ている可能性あり。

それに加えて、営業キャッシュフロー+投資キャッシュフローの「フリーキャッシュフロー」がプラスになっていれば、きちんと営業で稼いだお金の範囲内で投資もできているいうことになりますので、会社の状況を推察することができます。
どれだけ営業キャシュフローがプラスになっていても投資ができていないと将来どこかで急に大きなお金が必要になってくるため、このフリーキャッシュフローを見ていくことも必要です。

もちろん、中身は貸借対照表や損益計算書と一緒に見なければ何とも言えない部分はありますが、ある程度の目星にはなります。

まとめ

このように、キャッシュフロー計算書は現金の流れを明らかにして貸借対照表や損益計算書だけではわかりづらい部分を補足しています。 上述しましたが、財務諸表は「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」のそれぞれを見て多角的に分析することが肝心です。

損益計算書だけ見て、「売上が好調そうだから大丈夫!」とか「今期は赤字になっているからダメそうだ・・・」などという判断は下せません。

次回は、財務諸表それぞれの繋がりと分析のポイントを提示します。

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