ビジネス | 決算書を読み解く~貸借対照表(BS)を読んでみよう!~
POST:2019.06.15
前回、損益計算書(PL)について書きました。(⇒https://createmyself.site/1739/)
基本的に、会計期間の売上とコストから出てくる利益を知ることができるのがPLの特徴でした。
しかし、これだけでは企業がどのような事業活動をしているのかがさっぱり見えません。
企業は、お金を集めて商品やサービスを提供することで利益を創出します。
しかし、お金を集めると言っても様々な方法がありますし、商品やサービスを提供するにあたってのコストも様々です。
どのようにお金を集めて、何に使ったか?
この部分が見えないと、企業の実態を掴むことができません。
という訳で必要になってくるのが貸借対照表(BS)と呼ばれるものです。
貸借対照表(BS)とは
貸借対照表は別名「BS」と言います。
「BS」といっても、当然衛星放送のことではありません!(ここで笑う以外今回の記事で笑うポイントはありません)
「BS」は「Balance sheet」の略称です。
基本的なイメージは図1の通りとなります。
このように左右に分かれているのが貸借対照表の特徴です。
図の左半分を「借方(かりかた)」右半分を「貸方(かしかた)」と言います。
借方は、会社が持っている資産を表しています。
貸方は、資産の元となったお金の調達方法を表しています。
この借方と貸方をそれぞれ合計した金額が一致するので「バランスシート」と言われています。
なぜ一致するのか、と言いますと・・・
例えば、10万円銀行から借金したとしましょう。
この時、図表右側の貸方の「短期借入」が10万円ということになります。
その10万円は現金ですので、図表左側の借方も10万円ということになります。
このように、同じもの(先ほどの例では「10万円」)を左右それぞれに振り分けて計上していくためバランス(一致)するということになります。
仮にとなりますが、イメージがつきやすいと思いますので、図2のBSを見てみてください。
このように、借方の合計と貸方の合計は一致します。
と言われたものの、何がなんだか・・・だと思いますので、もう少し詳しく見ていきましょう!
借方の詳細
借方は資産の部から成り立っています。
資産とは、会社が集めたお金がどのような状態で保有されているかを表しています。
具体的には、流動資産と固定資産に分かれます。
流動資産とは、1年以内という短期間に現金化されるもので、「現金及び預金」「売掛金」「受取手形」「棚卸資産」などが代表例です。
固定資産とは、長期的に会社が保有するもの。「土地」「機械」「建物」などが代表例です。
貸借対照表の中では基本的に、現金化しやすいものから上に並んでいます。
貸方の詳細
貸方は負債の部と純資産の部から成り立ちます。
この2つは財産の元となるお金をどのように調達しているかを表しています。
ちなみに、負債のことを「他人資本」、純資産のことを「自己資本」とも言います。
また、負債も流動負債と固定負債に分かれています。
流動負債は1年以内という短期間で返さなければいけないもの。固定負債は1年以上の期間で返さなければいけないものとなります。
流動負債は、「支払い手形」「買掛金」「未払金」「短期借入金」などが代表です。
固定負債は、「長期借入金」「社債」などが代表例となります。
貸借対照表の中では基本的に、返済期限が早いものから上に並んでいます。
純資産は、自己資本。つまり自力で用意したお金となりますので、「資本金」や「利益剰余金」が代表例です。
利益剰余金は、前年度までの利益の余りです。つまり、PLで見た「純利益」の部分がここに計上されます。
まとめ
このように、貸借対照表(BS)はどのようにお金を集めて、何に使ったか?を知ることができる重要なものです。
ただし、この貸借対照表だけでも経営の正しい状態はつかみかねます。
損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)を組み合わせたり、キャッシュフロー計算書(CS)と組み合わせたりと多角的に見ていくことで企業の財務状況が明らかになっていきます。
という訳で、次回はキャッシュフロー計算書(CS)について!
なお、本記事より監修をつけております。 ありがとうございます笑