ビジネス | 窮屈な組織

POST:2018.02.10

前にも書いたような気がしますが、 気が向いたので組織フラット化について。

まず、前提事項として自分は「雇用流動化」「組織フラット化」論者です。 単純に、今の日本が抱えている仕事にまつわる問題はこれだけで7割くらいは 解決するんじゃないかとすら考えています。

雇用流動化については追々、都度都度ということにして、今回は組織フラット化について。

御恩と奉公

鎌倉時代ですね。御恩と奉公。

日本って封建社会が長かったこともあり、この考え方って物凄く染まりきってる気がします。
社会(=共同体)にいかに貢献するか、自分本位ではなく共同体本位で働けるか。

上意下達で組織が組織として機能することをよしとする文化。
まあ、悪くはないと思うし、ダメとは思わない。

でも、これ字面をよく見てみると「御恩」が先にきてるんですよね。
つまり、帰属意識を求めるならまず「御恩」を与えるべし、と。

この部分がいつの間にかないがしろにされていって、ただただ「奉公」を求めるだけになってしまった。
滅私奉公は決して美徳ではないと個人的には思います。

階層的組織

上司部下、先輩後輩。
上は指揮命令して、下は従う。
役職や職歴が絶対的であると、暗黙的にもしくは明示的にそう教え込まれちゃって育った自分たちはいつの間にかこれが正しいと思い込んでるんですよね。

儒教とかいう封建主義を肯定するために発展した学問では、これが価値観として正しいのかなとは思いますが・・・

「個性個性」と前面に押し出すのも何か違うと思うものの、
上が言うことが絶対なんてことはあり得ない。

10年くらい会社員として働いてきて

・役職や立場で仕事をする人間が多い(俺は上司だぞ!えっへん的な)
・上の命令を盲目的に受け取って、それをリターンすることが仕事だと思いこんでる人が多い
・ボトムアップはほとんど起こらずトップダウンがまかり通る
・トップに裁量が集中するため意思決定が遅くなる
・もしくはトップが増長する(暴走する)

この辺が大問題かなと思ってます。

いったいなぜ問題か?

別に仕事に限ったことではないけれど、人間には帰属欲求や承認欲求があります。
詳しいことはマズローさんあたりに聞いて下さい。

SNSなんかはその辺上手く商売にしてるなーと思います。
インターネットの効用の一つですね。

で、階層組織が過ぎると何が問題となるか。
一言で片付けるなら、組織が硬直化してしまうこと。
20年前ならまだしも、もはやこの高度情報化社会でトップダウンの意思決定は遅いだけです。

しかも、上から下に命令がいくだけでは誰も何も考えようとしなくなります。
上が考えて、下に業務させる。
そんなの、仕事じゃなくて作業ですよ、作業。

自分で何か考えてやるという部分が抜け落ちれば、帰属欲求も承認欲求も満たされない。
だって言われたこと言われた通りにするだけなら、「代替性が高い人材」でしかないから。

それで果たして幸せな働き方ができるのか・・・と。

CSからESへ

Customer Satisfaction(顧客満足)とEmployee Satisfaction(従業員満足)。
従来はCSが絶対視され、重要指標と言われていました。
しかし、近年はESの重要性が声高に叫ばれるようになってきました。

ESは高ければ高い方がいいに決まってます。
従業員が高い満足度を示す企業は、基本的に業績もいいです。
これについては、ニワトリか卵かみたいな議論をする余地もなく

ESが先です。

企業活動は、ヒト・モノ・カネの管理が最重要事項。
働きかけることで変化するのはヒトだけです。
変化するというのは、良くもなるし、悪くもなるということ。

だから、常に良くしていくような努力がトップマネジメントにとっての必須課題です。

じゃあどーすりゃいいのよ?

という訳で、組織のフラット化。
階層的マネジメントをなくして、各人に裁量を委ねていく。

こう言うと、「そんなことしたら統制が取れなくなる」という反論も聞こえてきそうですが、
決してそんなことはありません。

各人に裁量を与えるということと、組織としての統制は全く無関係です。
各人に裁量を与えるというのは、団体スポーツであれば各々のポジションを明確にしてやることです。
ピッチャーならピッチャー、外野手なら外野手。
ゴールキーパーとFW。

それぞれ求められる役割や能力が違いますよね?
それが明確だから、実際の試合の中では各自が考えてプレーできるわけです。

野球で言えば1球1球ベンチから投げる球とコースをベンチから指示しているのが従来のマネジメント。

そんなチーム、いくら強かろうが楽しくないですよね。
どんなスポーツであれ、試合中は選手が主役です。
監督やコーチが目立つようでは本当の意味での強い組織は作れません。

フラット化のメリット

変な役職がなくなって、一人ひとりに裁量が出てくれば、必然的に責任感が増します。
言い訳できなくなりますからね。

だからこそ、考えるし、動くようになる。
自発的に考えて、動ければ仕事は楽しいものです。(もちろん辛さも同居します)
楽しければ、帰属意識は増えていく。

後は、きちんと評価する仕組みを作れば承認欲求も満たされます。
人事評価についてはまたその内長々書くとして。。

従業員一人ひとりがイキイキと働けば、業績は後からついてきます。
そう、トップマネジメントの仕事は、社員が働きやすい環境を作ること。
重大案件の意思決定以外の意思決定を従業員に与えれば、トップマネジメントの業務負担も軽減されます。

そんなこと、お金があって余裕がある会社しかできない!
そんなことは絶対ありません。

人間、やらされ仕事ほど楽しくないものはありません。
そもそも現場発想の「カイゼン」は日本のお家芸。

現場が強い組織が結局強い組織だと、断言してもいいくらいです。

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