ビジネス | 自己実現は段階的に!? 〜マズローの欲求階層説にまつわる誤解〜
POST:2018.08.01
一度は耳にしたことがある(かもしれない)マズローの「欲求階層説」。
マズローとは、アメリカの心理学者ですが、心理学よりもむしろビジネスの場面で有名になった人かもしれません。
欲求階層説とは??
簡単にマズローの言うことを要約すると、人間の欲求はピラミッド形になっており
低次の欲求が満たされたら高次の欲求を求める。
究極の欲求は自己実現であり、人はそれに向かって進んでいる。
こんな感じでしょうか。
ちなみに、マズローの欲求階層説に登場する欲求は全部で5つ。
低い方から順に、
生理的欲求:生存の保障に対する欲求
安全の欲求:危険や脅威から保護されたいという欲求
社会的欲求:家族や集団への帰属を求める欲求
自我の欲求:他者から尊敬され、称賛されたいという欲求
自己実現の欲求:自らの能力や創造性の発揮に対する欲求
となっています。
低い方から順に満たされて、最後は自己実現に辿り着く。
という理論です。
もはや心理学というよりは、ビジネスシーンにおけるモチベーション研修やマーケティングの購買者心理分析などで使われる定番中の定番みたいな理論です。
誤謬(ごびゅう)
定番中の定番な知識や情報ほど、「正確に理解する」というのは難しいもの。
上に書いた内容は、一般的にマズローの欲求階層説を解説するサイトなんかに出ている情報です。
さて、マズローはこの理論で何が言いたかったのでしょうか?
まず、大きな勘違いの元になっているのが「誰しもにあてはまる理論」ではない、という点です。
マズローはこの理論を組み立てる際、マズローが『自己実現したと思う人』をサンプルにしています。
しかも、インタビュー形式ではなく自伝を読んだりという何ともテキトーなやり方でその人達を調べています。
しかも、マズロー本人は「自己実現する人は1000人に1人くらい」と言っています。
うーん・・・・
という訳で、誤解その1は「みんなに当てはまる理論ではない」です。
さらに、マズローはこの欲求の階層を完全なピラミッド状にしていますが
そもそも人間の欲求は複雑なものです。
夢の実現のためなら貧乏にも耐えられる!
お金持ちになったら、自己実現欲求が消えた!
なんてことはザラですし、
あれも満たしながらこれも満たしたい!!
となるものです。
てな訳で、誤解その2は「欲求は完全な階層でもないし、ピラミッド状でもない」です。
まとめ
なんとなく知っている人が多い「欲求階層説」ではありますが、なかなか正確には理解していない人も多いもの。
しかも、有名な割に5階層全部順番も間違えずに言える人は案外少ないものです。
「情報」はできるだけ原典に近いものを選んでピックアップしていく必要がありますね!
ある意味、このブログも疑いの目を向けてもらいながらの方がありがたいです笑
さて、自分にとっての「自己実現」とは何だろうかと考えながらしばらく過ごしていきたいと思います!
マズローの欲求階層説って、万人に当てはまるのが当たり前だと思ってたので、驚きです。
あえて、自分を当てはめれば、自我の欲求かと思い自分自身わらってしまいました。