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コラム | 就活にまつわる暗黙の了解~令和の就活を考える~

POST:2019.11.08

季節はようやく秋。
街路樹も色づき始め、あの暑かった夏をすっかりと忘れさせてくれる時期になりました。
秋は涼しいものの、ぼちぼち令和元年度の新卒採用も熱を帯びてくる頃。

自分が就活生だった頃もかなり昔になってきて時の移ろいの速さに恐れおののく今日この頃。

個人的な話になりますが、「就活生」という立場と「採用」という立場を経験していますが、未だに「いい就活」とは何だろうかと思い悩むものです。
特に、採用という立場で考えると、一人ひとりの人生を背負って「採用活動」ができているか、自問自答するものです。

この「いい就活」について考える上で外せないのが、何が「いい就活」を阻害しているのかという点です。
その要因をつらつら考えてみると、『就活にまつわる暗黙の了解』に行き着きました。

という訳で、今回は『就活にまつわる暗黙の了解』についてです。

服装について

就活の服装と言えば、代表的なのが「黒いリクルートスーツ」でしょう。
男女に関わらず、皆さん真っ黒。

これって黒じゃないといけないの??

ワイシャツやブラウスも基本的に白で統一されているため、さながらオセロのよう!

別に、黒じゃなきゃダメな理由ってないと思うんですよね。
紺色でも灰色でもいいじゃない。
あと、無地ってのもなんだかいけてない。
ストライプくらいよかろうもん!!(博多弁)

ワイシャツやブラウスも白である必要性はよくわかりません。
そして、ストライプくらいよかろうもん!!(2回目)

最近はSNSで女性のヒールやパンプスに対して異論が出たり、就活の髪形を自由にしようみたいなコマーシャルが流れたりと少しずついい流れになっている気がします。
この調子で、服装ももっと自由にしてもいいんではないでしょうか?

ぶっちゃけスーツである必要性すらよくわからない・・・
正装を、というのであれば和服でもいいんじゃない?

また、クールビズ期間中に就活生はネクタイ着用していて、採用サイドはノーネクタイだったりします。
こういうのも見ていて気持ちのいいものではありません。
クールビズ期間中であれば、就活生もノーネクタイでいいのではないでしょうか?

応募書類について

服装も色々と不思議なものですが、応募書類も「?」なものだらけです。
代表的な応募書類は「履歴書」でしょう。

未だに「手書き」の履歴書を義務づけている企業もありますが・・・
手書きである必要性はどこにあるのでしょうか??
確かに、手書きで一つ一つ丁寧に書かれた履歴書は好印象なのかも知れません。
ワードで作成して色々な企業で使いまわしができるようなものよりも、『本気度』が伺えるのでしょう。

さて、そういう企業に質問です。
果たして何のためにパソコンが生み出され普及したのでしょうか?
「手書きの履歴書」を提出させる会社は未だに伝票とかも手書きなんでしょうかね。
絶対に違うと思うんですけど・・・

もう令和ですよ!?令和!!
履歴書書く手間を考えるなら、「手書きにしろ」とは言えないですけどねえ・・・
そんな負担かけさせるような企業、採用市場から淘汰されますよ・・・

また、手間という観点から考えると「エントリーシート」というのもくせ者で。
特に新卒採用の場合多くの企業が導入しているかと思いますが、これも意義が見出しにくい。
就活生にとっては作成するのに大変な手間。採用サイドも読むのが手間。

誰が得する仕組みなんですかね??

大企業においては応募者が多すぎるため、選考のステップとして機能している面も否めないかとは思いますが・・・
仕組みだけ猿真似して「エントリーシート」を書かせている中小企業の皆さん、すぐにやめた方がいいですよ!!

そもそもですが、人間の評価を紙きれ1枚で行おうというのは「驕り」にすぎません。
きちんと膝を突き合わせて話してみてわかる部分を切り捨ててしまうというのはあんまり感心しない話です。

まして、「エントリーシート」の書き方なんてネットでいくらでも情報が出てきます。
みんながみんな似たようなことしか書いていないような書類をいくら読んだところで、なんの価値があるでしょうか。

正直、10年くらい前までは「エントリーシート」はまだ定着していませんでした。
そういう状況であれば、他者との選考の差別化という意味でも少し機能したかもしれません。

しかし、「エントリーシート」を導入していない企業でもしっかり採用できてた訳ですから、採用サイドが楽したいために導入したとしか思えません。
果たして本当に楽になったかは別問題かと思いますが・・・

個人的には、しっかりと面接やインターンシップなどで直接応募者と向き合う方がよっぽど双方のためになっていると思います。

よくわからいビジネスマナー

ビジネスマナーというのはなかなか手ごわいもので。
社会人経験が長いベテランでも結構間違えてたりするものです。
かく言う管理人もあんまりよくわかっていません。

メールや書類では「貴社」、話し言葉では「御社」と言いましょう。とか
お辞儀には3種類あって、それぞれ使い分けましょう。とか
ノックの回数は「3回」だとか「4回」だとか。

どうでもよくない!?

お辞儀の角度って・・・みんな分度器でも持ち歩いてるのかい??

もちろん、マナーが求められる場面はありますし、マナーそのものを否定する気はありません。
しかし、それを「就活生」が絶対に理解していなければいけない知識とは思いませんし、大事なのはそんな部分ではないと思います。

https://createmyself.site/1917/

↑別記事でも書いていますが、マナーや接遇は「相手に対しての思いやりや気遣い」が前提になければ意味がありません。
形だけ真似して慇懃無礼な感じになるよりも、そのままの人間性や仕事に対する姿勢などを評価する方がよっぽど建設的。

中途採用ならまだしも、新卒採用でマナーとかに細かくこだわる必要はないと思います。
そんなものは必要な場面でちゃんと教育すればいいだけの話ですし。

はたして「いい就活」って何だろう?

と、こんな感じで『就活にまつわる暗黙の了解』を見てきました。
非常に残念ながら採用担当者って、こういうことができている・できていないで評価するんですよね。
無意識的にかも知れませんが。

なぜそうなるかというと、面接官の質が低いから。
「ノックが2回だ!あいつは礼儀がなっていない!」「面接に青色のスーツを着てくるなんてけしからん!」
こういう部分は、果たしてその応募者の全てを現わしている事象でしょうか?

ルールやマナーといった形に囚われてしまい、本質と向き合うことができないのはもったいない。
こういったルールやマナーを総称して『暗黙の了解』と述べていますが、これらは仕事をする上で必要な資質とはズレています。

「服装」がビシっと決まっていて、立派な「エントリーシート」が書けて、「ビジネスマナー」もばっちり!
だとしても、仕事をして「できる」とか将来のリーダーになり得るかというのは別問題です。

「採用」というのは、本来非常にデリケートなものです。
何せ面接に限らず、人間が人間を評価するときには必ず「エラー」が発生します。
就活(あるいは転職活動)という短い時間で評価するのは元々無理があると言ってもいいでしょう。
だからこそ、採用は慎重に行わなければいけませんし本質的な部分にフォーカスを当てていかなければいけないのです。

例えば、
・エラーの部分をいかに最小化するか
・応募者の「本質的な部分」はどこなのか
・自社にフィットする人材はどういう人なのか

そういったことをかなり深掘りして少しずつ手を加えていきながら「いい採用」を実現していかなければいけません。
「いい採用」ができるようになれば、少しずつ「いい就活」が増えていきます。

言うならば、「いい採用」と「いい就活」は応募者と採用サイドが一生懸命『将来』に向かって目線を共有しながら一緒に作り上げていくものです。

就活生も採用サイドもどこか「猿真似」をしています。
大手の後追いで導入した採用のシステムは本当に自社に必要なやり方でしょうか?
マナー講師が言うビジネスマナーを実践しているだけで、心がこもってないお辞儀などに意味があるでしょうか?

もちろん、個性がすべて、という意味ではありません。
しかし、現代の就活は判で押したように量産される就活生を、判で押したように量産された採用で処理しているに過ぎません。

本音とは裏腹にマニュアルに沿って「いいこと」を言えたら合格。
口下手なせいで上手く伝えられない人は不合格。
何とも不思議なものです。

いったい、この狐と狸の化かし合いみたいな不毛な現象をどのように評価すればいいのでしょうか?
恐らく、「3年3割」と言われる早期離職も少なからずこのあたりに起因している気がします。

先人たちが脈々と作り上げてきた『就活にまつわる暗黙の了解』ですが、これからの時代にマッチしているものかと言えば正直疑問符がつきます。
今の就活の形も昭和の終わりから平成の間に作り上げられたものに過ぎません。 もう令和ですよ。 「これからの時代」に向けた人材を採用しなければいけないはずなのに、「これまでの時代」の採用手法を用いるのはおかしな話です。

ただし、はっきり言えば採用や就活に「正解」なんてありません。
就活生も採用サイドも本気でそれぞれの将来について考え抜いた末に少しずつ「正解」に近づいていくものだと思います。

個人的に令和の時代においては、お互いが本気でぶつかり合う、そんな「いい採用」「いい就活」がもっともっと実現されればいいなと思います。

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