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コラム | 就活のルールって何のために制定してたの?

POST:2018.09.04

2018年9月3日、経団連(日本経済団体連合)は就活のルールを廃止する意向を明言しました。
もうね、怒り心頭に発するですよ。(ちなみに達する、じゃなくて発するが正解です)
発する。ハッスル!!

経団連とは、大雑把に言えば大手企業の集まりです。
学生側も学校側も、まして中小企業達も巻き込んで大迷惑じゃないですかこんなの。
この「就活ルール」そもそも何のために必要とされていたのかを今一度考えてみましょう。

大学の役割とは

改めて言うまでもなく、大学とは「教育機関」です。
特に、専門度の高い高度教育を教える場でもあり、専門的な研究をする研究機関でもあります。
義務教育である小中学校とは違って、「学びたい人に学びの場を与える」ための機関です。

つまり、大学生の本分は「学ぶこと」にあります。
しかし、最近違和感を禁じ得ない大学の広告が多いです。

そう、「就職率◯◯%!」みたいなアレです。
大学の本分は教育機関であり、研究機関です。
別に就職を有利にするための専門学校ではありません。

何かがおかしい。それが新卒採用の現場なのです。

就活ルールとは??

繰り返しますが、経団連とは大手企業の集まりです。
そして、就活生は古今東西「大手志向」です。

就活のスタート時期は皆大手の説明会を巡り、ESを提出します。
理由は様々でしょう。
・安定してそう
・名前を知っている
・商品を購入した、サービスを利用したことがある
・大手企業で自分を磨きたい 等など

まあしょうがないでしょう。若かりし頃の自分もそうでしたから笑
でも、そうなると大手企業の一人勝ち。
就活よりも前に青田買いをする企業が連発。

ということで、経団連が自主的にルールを作ります。
それがいわゆる「就活ルール」です。

かいつまめば、応募開始が大学3年の◯月から。選考開始は◯月からというのを決めていたんですね。(これ、年によってバラバラなんですけど、まあいいです)

これは、あくまで経団連の自主規制になるので、経団連に所属していない企業には正直無関係ですが、学生の「学業の時間を確保する」ことという名目を守るため一定以上効果はあったかと思います。
つまり、大学側も要請していたんです。
大手が自主的にでもルールを制定し、学生の活動を抑制することで
・学業の時間を確保
・中小企業の活動にもある程度の抑止力ができていた
ということになります。

ルール廃止は多分いいこと

ちょっとセンシティブな問題かなと思いますが、管理人ルールの廃止自体は賛成です。
・ルールが形骸化していた
・そもそも新卒一括採用に反対
というのが主な理由です。

ルールの形骸化について

これ、経団連の自主規制なのでそれ以外の企業は自由に活動していました。(コソコソとね)
また、大手も「インターンシップ」を利用して就活解禁前に内々定レベルの約束をしたりということもあったり。
まあ、簡単に言えば強制力がないのであまり機能はしてなかったんですよね。
要は、真面目に守ってる企業が損をするような感じになっていた。

新卒一括採用反対について

このブログでは何回も言っていることですが、
・新卒一括採用
・年功序列賃金制度
・終身雇用
というのがかつての日本企業の三種の神器でした。
しかし、バブル崩壊後「年功序列」と「終身雇用」については実質的に骨抜きに。
今ではそれらの制度が残っている企業を探す方が困難です。
しかし、新卒一括採用だけがゾンビのように残ってしまいます。

理由は簡単。
「安いコストで採用可能」な人材を「効率よく教育して」現場に出せるからです。
教育にかかるコストや手間って案外バカにできなくて、一括でやった方が楽ですからね。
採用に関しても、大規模になっても一括でやった方が手間はかからない。
まあ、そんなところが理由です。

こんな茶番劇みたいな就活制度さっさとなくしてしまえとしか思っていない管理人としては、この「機能していないルール」の廃止はむしろ歓迎でもあります。

じゃあなぜ怒り心頭か

経団連の発表によると、このルール廃止が適用されるのは2021年卒業生の年代からということです。
もうね、2020年のオリンピックに関係しているとしか思えない。
それに、「ルール」が毎年のように変わって振り回されてきた学生達の気持ちを考えたことがあるのかと。
居丈高に「ルール」を作って変更する上に、挙句の果てに「はい、やめまーす!」。。
日本の9割以上を占めているのは中小企業だぞ!!
もっと言うと、2017年度の内部留保は過去最高を更新とのこと。
就活ルールがどうこう言う前に、既存の社員に還元しろよ!!!

というのが怒りの元です。

ルール廃止後の就活

とは言え、管理人がここでどうこう言っても廃止は廃止。
これを機に「新卒一括採用」がなくなっていくことを望みます。
これは、大学生の就活時期が早まるとかいう問題ではなく、企業が通年採用をすることで既卒者も受け入れられやすい環境を作って欲しい、というのが1点。
さらに、転職者も含めて雇用流動化が進めば、人材の流出を防ぐために企業努力が進むであろうことから通年採用で新卒も中途も括り無く受け入れられるようになればいいと思うのが1点です。

要するに、若い人たちが学歴や卒業時期等に縛られず自由に企業を選べるような社会になればいいなと。

そのためにも、企業側の「解雇権」の制限を緩和する等条件を整備していくことが必要とは思います。

まとめ

いずれにせよ、就活ルール廃止で大きく採用に関する状況は変わっていくと思います。
経団連も、「新卒一括採用」のあり方について提言していますので、これから本気で制度を改革するようにしていけばいい。
機会の平等くらいは与えられるようになればいいと思います。本当に。

ただし、諸刃の剣でもあるんですよね。
青田買いが加速する可能性や中小企業への配慮。
学業にどれだけ支障が出るかも未知数です。
また、非正規社員の増加などにも繋がりかねません。

古臭い新卒一括採用はなくなればいいと思いますが、それに伴ってどんな影響が発生していくのか。

ただ怒るだけなら簡単ですが、冷静に情勢を見極めていくことも重要かもですね。

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